生扉
2006/01/17 Leave a comment
エンロン事件を思い出す。上場企業に限らないが、企業が決算を粉飾し、結果本業まで含めた信頼をすべて失い、企業としての組織が死んでしまうには非常にやりきれないものがあると思う。経営者しかり、従業員しかり、お客様しかり、株主しかり。
企業が資本を利用して生み出すものは、製品は利益、株価だけではない。企業の活動は営利を生むものだと定義され、そのことだけに注目が集まることが多い。もちろん営利は大切だ。その営利によって企業は従業員の生活を維持し、社会に対して有益なサービスを提供し続けることができる。
企業はどのような形態であれ、責任を持ってサービスを提供し続ける=社会に対して有益であり続けるためには、利益を生み出し、従業員の生活を養い、ひいてはよりよりサービスの提供を目指し、同時に自らの生活をより豊かにすることを目指してモチベーションを高め、結果としてよりよいサービスを提供して社会に還元する。社会における企業の存在価値はこれらも含めたところにあるはずだ。
サービス自体や市場競争によらず、たった1つのルール違反とそれによってもたらされる信用失墜によって、真に価値あるものの一切が失われてしまうこともある。そのつけを支払うのは経営者だけでなく、従業員も、株主も、ユーザーも影響を受けるのだ。
捜査の結果によっては、責任者達の猛省と、法整備、モラル教育といった再発防止のための具体的な施策の実施を希望したいものだ。
※今回の件で1つ興味深いのは、「捜査対象がIT企業で、即座に証拠隠滅されてしまう可能性があるのでぎりぎりまで隠して捜査した」というニュースのコメント。確かにやりとりがメールのみだったりすると、全社員が一斉にHDD物理フォーマットとOS再インストールを1度にやったりしたらそれでおしまいである。(ありえないけど・・・)
でも思うに、電子データの方が捜査の進展はえらい早くなると思う。紙だと全部見ないといけないけど、メールなら検索できるから。